ツールのインストールと説明#
説明#
Pythonのインストールと関連ツールについて簡単な説明をする。
Atomのインストール
Pythonのインストール
Gitのインストール
Terminal(Mac)とGit Bash(Windows)の使い方
Gitのインストールの確認と設定
Pythonのインストールの確認と設定
GitHubの設定
pipを使うパッケージのインストール
Jupyter Notebookの使い方
また次の点についても述べる。
ゼミ終了後毎回おこなう作業
Note
Terminal
とGit Bash
ではコマンドを入力する行に$
が表示される。「コマンド入力」とは
$
の後にコマンドをタイプすること。「実行」とはEnter/Returnキーを押すこと。
Atomのインストール#
Atomはテキスト・ファイルを編集するText Editorと呼ばれる有名なアプリの1つである。授業での活躍の場は多くないが,今のうちに慣れるのも良いだろう。
このリンクからからダウンロードできる。
Pythonのインストール#
AnacondaとはPythonと広く使われるパッケージを一括でダウンロード・インストールできるプラットフォームである。(パッケージについてPythonの基礎で説明する。)
このサイトからMac用もしくはWindows用のインストーラーをダウンロードする。必ずPython 3.x versionを選ぶこと。Anacondaのインストーラーの指示に従いデフォルトでインストールする。
Gitのインストール#
GitとはPC内でコードの履歴管理をおこなうことによりファイルの過去のバージョンの閲覧や復元などを可能にするアプリ。特に,以下で説明するGitHubと一緒に使うことにより,複数人と共同作業する場合に欠かせないアプリである。以下ではMacとWindowsを別々に説明する。
Mac#
Macには元々インストールされているので再インストールする必要はない。
コマンドライン・デベロッパ・ツールについて
次のメッセージのポップアップ・ウィンドウが表示される場合,「インストール」をクリックすること。
gitコマンドを実行するには,コマンドライン・デベロッパ・ツールが必要です。ツールを今すぐインストールしますか?" 「インストール」ボタンをクリック
以下で説明するTerminalで次のコマンドを実行してインストールすることもできる。
$ xcode-select —-install
Windows#
このサイトから
Git
をダウンロードする。ダウンロードしたファイルを起動しインストールする。
Next
を押していくと様々なオプションが出てくるが次の項目以外はすべてデフォルトを選択する。Choosing the default editor used by Git
の画面が出てくるので,そのリストの中に使うEditorがあれば(例えば、Atomを選択し、AtomをインストールしていなければUse the Nano editor by default
を選択する。
Terminal(Mac)と Git Bash(Windows)#
MacにはTerminalがもともとインストールされている。
WindowsにGitをインストールする際,Git Bashは一緒に自動でインストールされる。
TerminalとGit Bashは,コマンド(例えば,
ls
)を入力し,そのコマンドを実行することによりPCを制御する。これらを使う理由はCLI(Command Line Interface)を通してGitとGitHubを使うためである。WindowsではAnaconda Promptも使うことができるが,ここではGit Bashだけを取り上げる。
Git Bashは,WindowsでもMacのTerminalと同じCLIが使えるように開発されたものなので,コマンド(次の「3種のコマンド」も含めて)は共通である。
「3種のコマンド」#
以下では必須の3つのコマンドについて説明する。
pwd#
ハードディスクにあるファイルは階層構造になっているフォルダー(ディレクトリとも呼ばれる)に保存されている。Terminal自体が「位置する」フォルダーをカレント・ディレクトリ(Current Directory)と呼び,それを表示するためのコマンドがpwd(Print Working Directoryの略)である。
$ pwd
を実行するとカレント・ディレクトリが表示される。例えば、
/Users/myName/folder1/folder2
この例では,カレント・ディレクトリはfolder2
となっている。
ls#
カレント・ディレクトリにあるファイルやフォルダーを表示するコマンド。ls
(listの略)の後にオプションを付けることもできる。
$ ls # ファイルやフォルダーの表示
$ ls -a # 隠しファイルと隠しフォルダーも含めて表示
ここで隠しファイルと隠しフォルダーとは、名前が.
で始まるものであり,通常は見えなくなっている。
Note
MacのFinder
で Command + Shift + .
とすると隠しファイルと隠しフォルダーの表示・非表示をトグルできる。
cd#
cd
(Change Directoryの略)は,カレント・ディレクトリーを他のフォルダーに移す場合に使うコマンド。ここでの説明は「相対パス」を使う。基本的な使い方は
$ cd <移動したいフォルダー名>
の形である。上の例を考えよう。
下の階層フォルダーに移動する場合
カレント・ディレクトリーが
folder2
であり,その下層フォルダーであるfolder3
に移る場合(folder3
はfolder2
に含まれるフォルダー)
$ cd folder3
上の階層フォルダーに移動する場合
folder3
に移った後,folder2
に戻る場合
$ cd ..
ここで上層フォルダーは1つしかないのでフォルダー名を入れる代わりに..
で事足りるということである。
Note
ファイル名やフォルダー名を途中まで書いてタブを押すと補完してくれる。
以下のコマンドを実行するとホーム・ディレクトリー(自分の名前のディレクトリー)に移動できる。
$ cd ~
ここで
~
はホーム・ディレクトリーを表す。
Gitインストールの確認と設定#
Mac#
確認#
MacにはGitはもともとインストールされていると説明したが,確認するためにTerminalで
$ which git
を実行するとGit
があるフォルダーが表示される。
設定#
GitにTerminalを使って名前とメールアドレスを登録するが,以下で説明するGitHubで登録するものと同じでなくてはならない。
$ git config --global user.name "LastName_FirstName"
$ git config --global user.email "example@example.com"
これ以外に必要であれば
$ git config --global core.editor 'atom' # エディターの設定
$ git config --global --list` # 設定の確認
Windows#
インストールの確認#
Git Bashの画面で以下を実行する(どのカレント・ディレクトリでも構わない)。
$ which git
以下のように表示されればインストール成功。
/cmd/git
設定#
GitにGit Bashを使って名前とメールアドレスを登録するが,以下で説明するGitHubで登録するものと同じでなくてはならない。
$ git config --global user.name "LastName_FirstName"
$ git config --global user.email "example@example.com"
これ以外に必要であれば,
$ git config --global --list` # 設定の確認
Pythonインストールの確認#
Mac#
Terminalの画面で以下を実行しよう(どのカレント・ディレクトリでも構わない)。
$ which python
以下(パスにanaconda3
が入っている)のようにされれば成功。
/Users/myName/anaconda3/bin/python
もし
/usr/bin/python
のようにanaconda3
がパスに入っていない場合は,
$ conda activate
$ which python
を実行してみること。ここで
$ conda activate
はAnacondaを使えるようにするコマンドであり,その逆は
$ conda deactivate
である。
Note
conda activate
及びconda deactivate
は、一度設定すれば終わりというものではなく必要であれば適宜実行する必要があるコマンドである。
Windows#
anaconda3がインストールされたディレクトリを確認する。2つのケースを考える。
(ケース1)C:\Users\myName\Anaconda3 (ケース2)C:\Anaconda3
Git Bashで以下を実行する。
(ケース1)の場合
echo ". /c/Users/myName/Anaconda3/etc/profile.d/conda.sh" >> ~/.bash_profile
(ケース2)の場合
echo ". /c/Anaconda3/etc/profile.d/conda.sh" >> ~/.bash_profile
両方のケースに当てはまらない場合は,
/c/
と/etc/
の間を適宜変更する。この作業によりホーム・ディレクトリに
.bash_profile
というファイルが作成され,Pythonに「パスがとおる」(即ち、Git Bashのカレント・ディレクトリがどこであれ使うことができる)ことになる。
Git Bashを再起動する。これによりGit Bashは
.bash_profile
の設定ファイルを読み込んむことになる。Git Bashで以下を実行する(どのカレント・ディレクトリでも構わない)。
$ conda activate
$ which python
を実行してみること。以下のように表示されれたパスにanaconda3が入っていれば成功。
/c/Users/myName/Anaconda3/python
また
$ conda activate
はAnacondaをアクティベート(使えるように)するコマンドであり,その逆は
$ conda deactivate
である。
Note
Git Bash
を起動する度に同じディレクトリを開きたい場合がある。例えば,~/Documents/zemi
を毎回開きたいとしよう。 その場合,.bash_profile
に次の行を追加する。
cd ~/Documents/zemi
ここで~
はホームディレクトリ(例えば,C:\Users\MyName
を指す。)
GitHubの設定#
GitHubとは,コードとコードの履歴をクラウド上で管理し,コード作成の共同作業を手助けするアプリである。アップロードしたコードを公開・非公開に設定することができる。ゼミ生がアップロードしたコードは外部からは春山のみが閲覧可能となる。
GitHubの設定
Gitの設定で使ったメールアドレスを使いこのサイトで無料アカウントを作成する。
登録後,このサイトでStudent Accountに変更する。
このでは Add an email address と書かれたボタンを押して神戸大学の学番メールアドレスを入力すること。
学番アドレスに確認メールが送られてくるので,そのメールに従って作業する。
Student Accountにすると様々な特典が付いてくる。
GitHubの画面の左側に”レポジトリ”(repository)を作成するボタンがあるので,それを押して作成する
レポとはコードをアップロードした際に保存される領域を示す。
レポジトリを「レポ(repo)」と略す場合がよくある。
それをゼミようのレポジトリとする。
レポは必要な数だけ作成することができる。(ゼミでは1つのレポを使う)
春山に
username
のみを知らせる。Passwordは後で使うので忘れないように。
GitとGitHubの同期の設定:Part I
ゼミだけで使い,GitHubと同期させるフォルダーを作成する。
以下ではそのフォルダーを
ZF
(ゼミ・フォルダー)と呼ぶ。Macでは「書類」フォルダー,Windowsでは「ドキュメント」フォルダーに
ZF
を作成することを推奨する。(注意:Mac) iCloud Drive用のフォルダーを指定しないように。(Finder → 移動 → コンピュータ → …)
TerminalもしくはGit Bashを起動し,カレント・ディレクトリを
ZF
にする。ZF
とGitHubを連携させるためにTerminalもしくはGit Bashで以下を実行する。ZF
をGit用に設定する。$ git init
ZF
とGitHubを紐付ける$ git remote add origin <repoURL>
ここで
<repoURL>
は上で作成したレポのアドレスであり,以下の手順でコピーできる。repoのページにある
Clone or download
と書かれた緑色のボタンをクリックし,https://
から始まるリンクを確認する。その右横のボタンを押す。リンクが
git@github.com:
から始まっている場合は,その小さなポップアップ・ウィンドウの右上にあるUse HTTPS
と書かれた箇所をクリックするとhttps://
から始まるリンクが表示されるので,それをコピーする。
GitとGitHubの同期の設定:Part II
エディター(例えば,MacであればAtomやテキストエディット,WindowsであればAtomやメモ帳)を使い
README.md
というファイルをZF
に作成し,自己紹介の内容を記入する(例えば,自分の名前や学部など)。以下はすべてカレント・ディレクトリを
ZF
にしたTerminalもしくはGit Bashでおこなう。ZF
の状態を確認する。git status
Gitに履歴を記録させるファイル(この場合は
README.md
)を選択する。これは「ステージング」と呼ばれるプロセス。git stage README.md
もしくは
git add README.md
Gitにファイルの変更を登録する。これは「コミット」と呼ばれるプロセス。
git commit -m "First commit"
ここで
-m
はその後にメッセージを入れるオプション。「First Commit」は履歴についての短いコメントであり,毎回記述する必要がある。変更内容について分かりやすいものすること。もしくは,git commit
としても良いが,その場合,Gitを設定した時に指定したエディターが起動されるので,「First commit」のようなコメントを書いて保存する。エディターは終了しても良い。
GitHubにファイルをアップロードする。これは「プッシュ」と呼ばれるプロセス。
git push origin master
パスワードを求められるので,GitHubのパスワードを入力する。
ZF
の状態を確認する。git status
基本的にゼミ終了後毎回1〜6のステップ(README.mdを違うファイルに変えて)をおこなうことになる。
ゼミのための設定
ゼミ用レポのGitHubウェブページを開く。README.mdの内容が表示されているはず
以下の設定をおこない,春山だけがそれぞれの学生のレポを閲覧することが可能となる。
Settings -> Manage access を開き, Invite a collaborator と書かれた緑色のボタンを押す。
出てきたポップアップに春山のユーザー名
spring-haru
を入力すると春山の名前が出てくるのでマウスで選択する。Add spring-haru to … と書かれた緑色のボタンをおす。
Warning
コンフリクトと呼ばれる問題発生を防ぐためにGitHubのサイトで直接ファイルを変更しないように!もし変更した場合は,パソコンで該当ファイルを変更する前に必ず以下のコードを実行すること。
$ git pull origin master
pipを使うパッケージのインストール#
ゼミではAnacondaに含まれていない次のパッケージを使う。
linearmodels
wooldridge
lmdiag
py4macro
py4etrics
これらをインストールするには,Anacondaに含まれているpip
コマンドを使う。pip
は以Terminal(Mac用)もしくはGit Bash(Windows用)を使い実行する。例えば,see
をインストールするには
$ pip install see
を実行する。4つのパッケージを一括でインストールするコマンドは次のようにする。
$ pip install linearmodels wooldridge lmdiag py4macro, py4etrics
Jupyter Notebookの使い方#
Jupyter Notebookとは,Pythonをインターアクティブな環境で実行できる非常に使い易いプログラムである。
起動と終了(Mac)#
起動(2つの方法)
Terminalに
Jupyter Notebook
を入力し実行する。
Anaconda-Navigatorを起動するとJupyter Notebookの大きなアイコンがあり,そこにある
Launch
をクリックする。
終了
Jupyter Notebookの全てのタブを閉じる。
Jupyter Notebookを起動すると自動にTerminalの画面が表示されることになるが,次のどれかの方法で,その画面に
$
が表示されるようにする。Control
を押したままC
を押し,y
を入力し,Enter
を押す。Control
を押したままC
を2回連続で押す。別のTerminal画面の
$
でjupyter notebook stop
を実行する。
起動と終了(Windows)#
起動(3つの方法)
Git Bashに
Jupyter Notebook
を入力し実行する。
スタートメニューから
Jupyter Notebook (Anaconda3)
をクリック。Anaconda-Navigatorを起動するとJupyter Notebookの大きなアイコンがあり,そこにある
Launch
をクリックする。
終了
Jupyter Notebookの全てのタブを閉じる。
Jupyter Notebookを起動すると自動でAnaconda Promptと呼ばれるアプリが起動する。その画面に移り,
Control
を押したままC
を押すと画面が閉じる。もしくはC:¥Users¥myName>
のような表示がでる。(代替方法として,別のAnaconda Promptを起動してjupyter notebook stop
を実行しても良い。)
使い方#
ブラウザーが起動した後,Jupyter Notebookの最初の画面ではファイルやフォルダーが表示される。
フォルダー名をクリックすると,そのフォルダーに移動する。
..
をクリックすると,1階層上のフォルダーに移動する。
FZ
に移動し,以下の手順で新しいNotebookを作成する画面右上にある
New
をクリックして表示されるPython 3
をクリックする。画面左上に表示される
Untitled
とクリックしファイル名を変更する。
Notebookにある横長の長方形をセルと呼ぶ。主に2種類のセルを使う。
Codeセル
セル枠の左側に
ln[]:
の表示がある。Python
コードを書く領域Shift+Enter
でコードが実行されCodeセルの下に結果が表示される
Markdownセル
セル枠の左側に何の表示もない。
説明文などを書く領域
Shift+Enter
で内容が表示される
セル・タイプの変更は,画面中央上に
Code
またはMarkdown
と表示されている部分をクリックして該当するセルタイプを選択する。
Jupyter Notebookの画面の状態には2つのモードがある。
エディット・モード(EM)
セル枠の色が緑色
セル内にカーソルがある。
セルにコードや説明文を記入できる。
コマンド・モード(CM)
セル枠の色が青色
セル内にカーソルがない。
矢印キーを使ってセル間を移動できる。(マウス・クリックでも移動できる。)
EMとCM間の移行方法
EMにある状態で
Shift+Enter
で(セルが実行され)CMに移行する。EMにある状態で
Escape
を押すとCMに移行する。CMにある状態で
Enter
を押すとEMに移行する(セル内にカーソルが現れる)。
コード・セル内でコマンドの末尾に
?
と書いて実行すると、そのコマンドのdocstrings
と呼ばれる説明文(英語)が表示される。help(<command>)
でも同じ(ここで<command>
とはPythonの何らかのコマンド)コマンドを途中まで入力して
Tab
を押すと残りのコマンドを補完してくれる。複数表示される場合は、必要なものを1つを選択すること。選択したくない場合はEscape
を押すと消える。関数や
()
の中でShift+Tab
を押すとツールチップ(tooltips)(即ち、ヒント)を表示してくれる。
Tips#
メニューのHelp -> Edit Keyboard Shortcutsからショートカットを変更・設定できる。
コードをより見やすくできるフォントもあるのでトライしてみよう。
matplotlib
を使う場合の日本語Web上にはJupyter Notebookの使い方に関する情報がたくさんあるのでチェックしてみよう。
ゼミ終了後毎回おこなう作業#
以下の手順で,ゼミ終了後には毎回必ず使ったJupyter NotebookをGitHubにアップロードすること。
TerminalもしくはGit Bashを使い
ZF
をカレント・ディレクトリにする。ZF
のどのファイルが変更されてGitHubと同期されていないかをチェックする。git status
変更ファイルのステージング(変更履歴の保存をするファイルの選択)
git stage file名
ここで
stage
をadd
としても同じ。ファイルのコミット(変更履歴の保存)
git commit -m '変更点に関するコメント'
プッシュ(GitHubにプッシュ)
git push origin master
ZF
の状況を確認git status
ブラウザーでGitHubのレポをチェック
Warning
コンフリクトの問題発生を防ぐためにGitHubのサイトで直接ファイルを変更しないように! もし変更した場合は,パソコンで該当ファイルを変更する前に必ず以下のコードを実行すること。
$ git pull origin master
pull
はGitHub上のファイルをPCにダウンロードしてPCのレポを上書きする。これによりリモート・レポ(GitHub上のレポ)とローカル・レポ(PCのレポ)を同期することになる。